当工房の取り組み

工芸の基本にある「人の手が生み出す美しさ」を胸に、更なる発展に向け挑戦を続けています。

技術継承や人材確保は木工業界の大きな課題であり、私たちも例外ではありません。
どれだけ先端技術が発展しても、経験に裏打ちされたベテラン職人のすべての技術が機械化できるわけではない為です。
例えば、部材をすべて寸分違わず図面通りに切削加工することは、現在の最先端の木工機械を使えば簡単にできます。
しかし、その次のその切削された部材を組み立てる作業、これはベテラン職人の経験や勘に頼る部分が非常に大きい作業です。

我々が使う天然の木材は、木目の幅・木目の流れ方など、ひとつとして同じものがありません。
その材ひとつひとつの性質を見極め、組み立て後に起こるであろう、反りや捻じれを予め予測した上で、それが起こらない様に部材同士の組み合わせを考えた上で組み上げる工芸技術、これはおそらくどれだけAIなどの人工知能が発達しても機械にはできない作業です。

この様な経験に裏打ちされたベテラン職人の技術を伝承するために、外注先や県内の木工所と連携した若い職人の育成プログラムに取り組んでいます。

またその一方では、NCルーターレーザー加工機などのデジタル技術を応用した最先端木工機械の導入を進めています。効率化や安定性ということだけでなく、手仕事とデジタル技術の良いところを組合せ、工芸と工業の新しい可能性を模索したいという、ものづくりへの純粋な好奇心でもあります。
工芸の基本にある「人の手が生み出す美しさ」を胸に、更なる発展に向け、挑戦を続けています。

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