環境保護への取り組み

人と環境にやさしいものづくりを目指して、健全な森林の育成の一端を担う決意で日々取り組んでいます。

人工林で育った木材を利用すること

私たちは、天然資源である木材を使う以上、環境問題は切っても切り離せず、環境問題についてお話させて頂く機会が多いです。
その中でよく「やっぱり環境を考えて、間伐材をお使いなんですよね?」という質問を頂きます。
端的に申しますと、間伐材は使っていません。間伐材を使用することはもちろん環境保全の為には大切なことです。ですが、間伐材はその名の通り間引きされた材木で、そのほとんどは樹齢15年~30年前後の未成熟な若木です。未成熟である為、木質が締まっておらず、耐久性が非常に低い部分がほとんどで、私たちが主に作る水回りの道具には向いていません。

私たちが使う桧材は、品質の優れた岐阜県の東濃桧という樹齢100年以上の桧の建築端材です。
建築端材とは、例えば5mある桧の丸太から4mの1本の柱を切り出すとします。実際に使う際には、4mしか必要ないので、切り残した残りの1mでは、柱にはならず建築材として利用されません。
その切り残された部分を使って私たちはものづくりをしています。日本の多くの製材所では、建築端材は粉砕されて製紙材料になったり、焼却処分されたりしています。

ヒノキ

私たちは、そんな建築端材に再び命を与えて、水回りの道具として生まれ変わらせることも間伐材の使用と同等の価値がある作業だと考えています。

日本ほど森林の多い国は、世界でもめずらしく面積の7割が森林です。その大半は、人が使うために育てた杉や桧の人工林です。
現在、成長したこれら人工林の多くが木材として利用可能になっているにもかかわらず、外国産木材の輸入量の増加や林業の採算性の低下により、国産材供給量は国内全体における木材需要量の約3割に留まっており、放置される森林(人工林)もみられるようになっています。
手入れを行わないと、木立の間に日光が差し込まず下草が生えないなどにより土壌が失われたり、土砂崩れの原因となったりします。
また、適切な伐採が行われないと、新しい木が植えられず高齢の木々ばかりとなり二酸化炭素の吸収量が低下するなど、森林の持つ多面的機能の低下につながってしまいます。

そこで、森林(人工林)を元気にするため、「植林」→「育成(間伐などの手入れ)」→「(成長した木を)伐採」、そして「利用する」というサ イクルを回していくことが重要です。
それによって、健全な森林の育成とともに住みやすい環境と資源を持続的に得ることができます。そのためには、人工林で育った木材を、私たちがもっと利用することが必要です。その一端を私たちが作る木の道具が担っています。

おが屑の再利用

多くの木工所では、加工時に発生するおが屑はその場で焼却処分していますが、当工房では牛や馬などの飼育環境で使用する「敷料」を販売する会社さんに回収して頂いてます。

焼却処分をしていてはCO2を発生させ、地球環境に大きな負荷を与えてしまいますが、当工房ではおが屑を吸引して集める「集塵機」も最新設備を導入し、おが屑が循環利用されることで地球環境の保護限りある木材資源の有効活用に繋がればと願っています。

梅澤木材工芸社のおが屑はヒノキやヒバなどの良質な国産無垢材なので、東京や京都を始めとする日本各地のJRA(日本中央競馬会)さんの競馬場で使用されています。
また、競馬場で敷料として使用された後には、JRAさんのバイオマス発電に利用されています。

集塵機集塵機

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